第81章

菊地杏奈の言葉に、大野友菜は黙り込んだ。

血のつながりは、そう簡単に断ち切れるものじゃない。とくに葉山爺さんと葉山陸斗には、身を寄せ合って生きてきた時間がある。

以前、陸斗が植物状態になりかけた時でさえ、葉山爺さんは諦めなかった。あの時ですら、だ。

それに今の陸斗は、菊地美波が起こす厄介ごとを毎日片づけさせられているとはいえ、少なくとも生きている。会社の時価総額が縮んだところで、葉山爺さんにとっては大きな損失でもないのだろう。

帝京市でも指折りの大富豪だ。修羅場だって、波乱だって、見尽くしてきたはずだ。

その妙な静けさを破ったのは、田辺翔太たちが戻ってきてからだった。

「後輩、さ...

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