第87章

「お姉ちゃん、陸斗さんは私を心配してるから、つい取り乱してるだけなの。だからって、どうしてそんなふうに人を傷つけるようなことを言うの?」

  菊地美波は、菊地杏奈の意図を察したらしく、ますます顔色をなくした。噛みしめた唇だけが血のように赤く、かえって痛々しさを際立たせている。

「今日のあいつがこんな目に遭ってるの、全部あんたのせいでしょ」

  菊地杏奈は軽蔑を隠そうともせず、あからさまに目を逸らした。

「具合が悪いなら病院で大人しくしてなさいよ。わざわざここまで怒鳴られに来るなんて、ご苦労さま」

  山内芽衣と白石由紀は箸を握ったまま、いつでも立ち上がれるよう身構えていた。今にもそ...

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