第106章

「見ろよ、いい気になっちゃってさ。うちの悠人さんなんて西京大だの帝京大だの狙える成績だけど、何か言ったか?」

 西村夏輝は自分の点がボロボロだったくせに、まるで気にしていない。

 大丈夫。自分には悠人さんがいる。――俺の悠人さんが。

 高橋悠人は学年1位どころか、市内1位。とんでもなくすごい。

 夏輝の目には、悠人が高得点を取れば取るほど、自分まで一緒に偉くなったみたいに映る。だって兄貴だし。

 岡本恵茉は鼻で笑い、容赦なく刺した。

「はいはい、盛るのやめな。点を取ったのは高橋悠人でしょ。あんたに何の関係があるの」

 けれど、その言葉が夏輝に妙なひらめきを与えた。

 夏輝は悠...

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