第129章

 五日。

 四日。

 ……

 一日。

 ちょうど都合のいいことに、四高の始業式の前日はバレンタインデーだった。鈴木結月は高橋悠人が今夜の便で発つと知っていて、先にスマホでメッセージを送った。見送りには行かない、と。

 夜。最後の問題集を解き終えた結月は、机から顔を上げて窓の外を見た。

 鈴木慶信たちはとっくに帰っている。みんな去って、残ったのは自分ひとり。

 胸の奥からじわじわと広がる孤独が、どうやっても払いきれない。空を覆う雲みたいに、視界の全部を塞いでくる。

 ――そのとき、スマホが鳴った。

 画面で跳ねる高橋悠人の名前を見た瞬間、心臓がどくん、どくんと暴れだす。喉元ま...

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