第134章

  けれど鈴木結月は、心の奥でうっすらと信じていた。これは夢なんかじゃない、と。

  十七歳の再会。もう一度、互いを知り直す十七歳。

  時間が彼女にくれた、やり直すための機会。もう一度この人生を、味わい直すための。

  高橋悠人は結月を見つめ、視線が頬をなぞると、ふっとまぶたを落とした。

  「退院したばかりだろ。こんなに早く会社に来なくてもいい。休職期間は、俺がもう一か月延長で申請してもいい」

  まさか、そんな話をされるとは思わなかった。

  その瞬間、鈴木結月は気づく。

  高橋悠人は、昔自分が決めつけていたほど冷たい人じゃない。案外、他人のことをちゃんと見ている。

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