第152章

高橋樹は彼女を見つめた。橋本美月の声は、羽毛みたいに軽く、やけに優しい。

「だから、絶対に止めなきゃ」

橋本美月がその数枚の写真を見た瞬間、胸の奥で何かがぷつんと切れた。誰も知らない。彼女が初めて好きになった男の名前が高橋悠人だなんて。何年経っていようと、あの男をもう一度目にしただけで、当時の鼓動の跳ね方まで思い出せてしまう。

目の前の高橋樹も同じ苗字を持ってはいる。けれど――月とすっぽん、比べものにならない。

高橋悠人が誰かと付き合うだけなら、まだ我慢できた。

でも、相手が鈴木結月だけは無理だった。

「……どうやって止めるんだよ」

高橋樹は苛立たしげに髪をぐしゃっと掻いた。目...

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