第176章

  ところが、ふいに玲央の姿が目に入った瞬間、周囲の視線がいっせいに吸い寄せられた。誰も彼も、目をまん丸にしている。

「赤沢さんのお子さん? え、うそ……めちゃくちゃ可愛くない?」

 ひとりが隣の同僚に小声で訊く。

 同僚はぎょっとして彼女を見て、慌てて声を落とした。

「バカ! 社長の息子だよ。赤沢さん、結婚もしてないのに子どもいるわけないでしょ」

 訊いたほうは、この半年で社長室に異動してきたばかりだった。玲央は普段ほとんど会社に来ない。赤沢源一郎が連れているのを見て、てっきり赤沢の子だと勘違いしたのだ。

 彼女は口元を押さえて目を見開く。

「社長の子、反則でしょ……。子ども...

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