第18章

「誰?」

 石井和希は一瞬、思考がフリーズした。

「鈴木結月だって。家に帰ったら学生証がなくなってたらしくて、俺らが拾ってないかって」

 西村夏輝がそう言う。

 石井和希と田村颯介は同時に首を振った。本当に拾っていない。

 西村夏輝が高橋悠人のほうを見ると、悠人は目を細めたままこちらを見ていた。視線の奥に、ぞくりとするような危うさが滲んでいる。

 それでも夏輝は懲りずに訊く。

「悠人さん、見てないっすか?」

 高橋悠人はスマホを握ったまま、夏輝を見据えた。

「お前……なんで、あいつの番号持ってんの」

 やけにゆっくりした口調。声の調子は大きく変わらないのに、妙に重い。胃の...

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