第35章

 我に返った頃には、高橋悠人が岡本恵茉へ、いかにも退屈そうにちらりと視線を投げていた。

 岡本恵茉は怯えきって、全身がぶるぶる震えている。

 その後ろの男子三人もまた、高橋様が買ってくれたミルクティーを一人一杯ずつ手にしていた。さっき店先で、高橋悠人がさらっとカードを出して店主に渡したときなど、まるで「今日は高橋さんが全部出す」みたいな空気だった。

 石井和希が西村夏輝の肩をぽんと叩く。

「夏輝さあ、悪いけどさ。どんだけ可愛くても、ああいう子は腹の足しになんねえって。いっぺん痛い目見たのに、なんで学ばねえの」

 田村颯介が気だるげに言う。

「まだ痛い目が足りてないんだろ」

 岡...

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