第42章

鈴木結月は相変わらず学校へ通っていた。ただ、今の彼女は毎日、放課後になると自分の部屋に鍵をかけて、本ばかり読んでいる。

以前なら「橋本美月のせいで勉強の調子が崩れた」とでも言い訳できた。けれど今は、鈴木慶信が直々にあの子を追い払ってしまった。もう、逃げ道はない。

結月が最初に拾い直したのは数学だった。高1から高3までの教科書を引っ張り出し、片っ端からページをめくっていく。長い時間が空いて忘れていた部分もあるが、やり直してみれば案外、手は動いた。

もともと数字には敏感だ。得意で、いちばん好きな科目も数学。

――だって、圧倒する感覚が好きだったから。

季節はあっという間に進み、11月。...

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