第46章

  廊下で野次馬をしていた連中も、さすがにこれ以上は居座れなかった。

  けれど、こんな騒ぎを黙っていられるはずもない。誰かが待ちきれない様子で教室へ駆け戻り、あっという間に「共有」していった。

  そのせいで、少し経つ頃には練習室の中にも外にもいた人間がごっそり消え、残っていたのは鈴木結月と高橋悠人、それから彼らの周辺だけだった。石井和希は空気を読んだのか、西村夏輝の腕を引いてさっさと撤退する。

  ところが西村夏輝は、岡本恵茉の手首を乱暴に掴み、そのまま引っ張っていった。

  岡本恵茉は、広くて、どこか温もりのある練習室を振り返り、しゃくり上げるように言った。

  「ここ……結...

ログインして続きを読む