第47章

阿部先生も、そもそもどうして男女二人きりでそこに残っていたのか――その理由を聞きそびれたらしい。

ほかの先生だったら、とっくに「付き合ってるのか?」まで疑っていたはずだ。

鈴木結月は、自分の完璧な演技でこの件はうまくやり過ごせた――そう思っていた。

けれど翌日の夜。

教室で夜の自習をしていると、窓の外からコンコン、と澄んだ音がした。顔を上げると、担任の中野博と、昨日ナンプレチームにいた阿部先生が、窓の向こうに立っている。

その瞬間、鈴木結月の頭に浮かんだのはひとつ。

――終わった。

高橋悠人は落ち着いた様子でちらりと見て、小声で言う。

「担任、呼んでる」

鈴木結月が立ち上が...

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