第55章

「よかった……ほんと、よかった……」

 西村夏輝はようやく肩の力を抜き、息を吐いた。

「さっき警察が悠人さんの家に来て、連れていったんだ。中島拓真っていうバカがさ、昨夜、夜の自習の帰り道で襲われたらしくて。だから警察が悠人さんに昨夜の行動を聞きに来たんだけど、誰と一緒だったか言わないから、怪しいって思われて、そのまま署に……」

 鈴木結月はベッドの上で跳ね起きた。

「すぐ行く」

 手早く着替えて階段を下りる。

 まだ朝が早い。鈴木家は誰も起きておらず、結月がそっと外へ出ても気づかれなかった。

 西村夏輝から、どこの警察署に連れていかれたのかを聞くと、結月はそのままタクシーを拾っ...

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