第65章

  22点なんて、彼女の受験人生における屈辱だ。屈辱どころじゃない。一生忘れられない恥だ。

  このところ結月は、高校の教科書を一通り復習し直していた。もともと基礎はある。初めて触れる内容ではないから、問題集も追加で2回分こなした。忘れかけていた分野も、今はだいぶ手応えがある。

  そもそも鈴木結月は、適当にやっても700点台を叩き出すタイプだ。もう一度やり直せるなら、要領よく伸びるのは当然だった。

  高橋悠人も、彼女の瞳の奥にある意地を見て取ったのだろう。ふっと声を落として、甘い毒みたいに囁く。

  「なあ、俺と賭けてみる?」

  「何を?」

  結月の心臓が、どくん、と跳ね...

ログインして続きを読む