第98章

このところ、鈴木結月の暮らしはずいぶん静かだった。

橋本理子は、年齢的に安静が必要になってきたせいなのか、むしろしょっちゅう病院に通っている。家には自分専属で世話をする使用人まで置くつもりらしい。

吉田さんは表向き何も言わない。けれど橋本理子のその考えは、吉田さんの「世話の腕」を疑っているのと同じだった。

鈴木結月は、そんな騒ぎに付き合う気もない。

突然できたその子どもに、期待もしないし、かといって悪意を向けるつもりもなかった。最初から、いないものとして淡々と扱えばいい――そう思っていた。

……校門前で、久しぶりに橋本美月と鉢合わせるまでは。

昼休み。鈴木結月は岡本恵茉と連れ立っ...

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