第99章

 岡本恵茉は売店まで駆けてくるなり、足をどん、と踏み鳴らした。口から出てくるのはそればかり。

 「寒い、寒い……」

 鈴木結月はダウンのフードを目深にかぶっていて、額から目元までがすっぽり隠れている。鼻から下だけ覗かせたまま、くすっと笑った。

 「だって恵茉が、どうしてもフランクフルト食べたいって言うからでしょ」

 岡本恵茉ははぁ、と息をつく。

 「冬になったからかなあ。なんか食欲が増してる気がする。ちょうどこの時間になると、絶対お腹すくんだよね」

 本当に、腹ぺこだった。

 両手で自分の頬を包み、恨めしそうに訊く。

 「私、太った?」

 鈴木結月はわざわざフードを少し持ち...

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