第1章
清潔で明るい部屋、大きなベッドの上で男女が裸で絡み合っている！
四肢を切断され、花瓶に押し込まれた佐藤玲奈は、わざと部屋の中央に運ばれ、ベッドの上で繰り広げられるすべてをまざまざと見せられていた！
彼らは一人が彼女の妹、もう一人が彼女の幼なじみの婚約者。
そして彼女をこんな姿にした元凶でもある！
女の裸の脚は蛇のように男の腰に絡みつき、糸のように媚びた眼差しに嘲笑を混ぜて、佐藤玲奈の顔に落とした。
「久しぶりね、私の愛しいお姉ちゃん！」
「うぅぅ……」
彼女を見た途端、佐藤玲奈は口から怒りと悔しさの叫びを漏らした。
大きく開いた口の中は黒々として、舌が見えない。
彼女の舌はとうに、女に残酷にも引き抜かれていたのだから！
「私を罵りたいの？！」佐藤優子は艶かしく笑った。「あなたが私を泣かせたから、星辰お兄さんがあなたの舌を根こそぎ引き抜いたんじゃなかった？なのにまだ私を罵るつもり？」
佐藤玲奈は目を剥いた。
この卑劣な女！
この蛇蝎の心を持つ卑しい女！
もし自分が腎臓を彼女に提供していなかったら、彼女はとうに死んでいたはず。それなのに、こんな形で恩を仇で返すなんて？！
彼女の恨みに満ちた視線を無視して、佐藤優子は冷たく鼻を鳴らした。
「どう？あなたの最愛の男があなたの目の前で私とこんなことをしているのを見て、私を殺したいほど憎いでしょう？でも残念、私たち二人の間で、愛されないのは決まってあなた、佐藤家から追い出されたのはあなた、そして最後に死ぬのもあなただけ！あなたの最愛の男さえも、私の上で死にたいと思うばかりで、あなたを一瞥する価値すら感じないのよ！」
佐藤玲奈は彼女の得意げな顔を見つめながら、心の底から憎しみが湧き上がり、口からうめき声を漏らした。
彼女のその姿を見て、佐藤優子は傲慢な笑いを放った！
男は激しく突き上げ、佐藤優子を喘がせ続け、思わず彼女は男の胸を叩いた。
「あら、お姉ちゃんの前なんだから、少しは慎みなさいよ。そうしないと彼女がどれだけ傷つくか！」
高橋星辰は収まるどころか、さらに激しく突き上げた。
佐藤優子の腰をきつく掴み、彼女に魂を奪われた狂気の眼差しで言った。「あいつはただの卑しい女だ。お前に腎臓を提供することだけが唯一の存在価値で、俺に遠慮する資格なんてない。お前のためなら命さえ惜しくない！」
「そうね、でも今の私は完全に回復したわ。拒絶反応もないし、もう彼女を生かしておく必要はないわね」
「わかった、すぐに毒薬を一杯飲ませよう。二度と俺たちの邪魔をできないようにしてやる！」
佐藤玲奈は目を見開き、この薄情な男女を見つめ、憎しみが眼窩に満ちた。
彼らに猛毒を飲まされ、七つの穴から血を流しても、彼女は目を閉じず、なおも彼らを睨み続けた。
彼女はこの男女の悪辣な素顔をはっきりと見ておきたかった。
もし来世があるなら、必ずや彼らの偽善の仮面を引き裂き、自らの所業の代償を払わせてみせる！
「玲奈、さっさと書類にサインしなさい。優子の状態はとても悪いのよ。あなたは彼女のお姉ちゃんなんだから、腎臓を一つ提供するのは当然でしょう？」
「これまでずっと優子があなたの代わりに私たちに孝行してきたのよ。あなたは戻ってきたとたん彼女のすべてを奪い取った。腎臓を提供して彼女の命を救うのは、彼女への恩返しと償いになるわ」
「たかが腎臓一つよ、死ぬわけじゃないのに、なんてわがままなの。本当に失望したわ！」
耳元でのうるさい声に目を覚ました佐藤玲奈は、自分が椅子に座っていることに気づいた。
目の前には中年の夫婦が眉をひそめ、不機嫌そうに彼女を睨んでいた。
女性の腕の中には、病院の服を着た少女がいた。
少女は顔色が青白く、壊れやすい花瓶のように女性の腕の中に縮こまり、計算高い目で彼女を見つめていた。
口を開くと、その声は弱々しかった。「お父さん、お母さん、もうお姉ちゃんを責めないで。私を救いたくないならそれでいいわ。結局私はあなたたちと血のつながりのない他人だもの。彼女に私を救う義務はないわ。大丈夫よ、ただ透析の痛みをもう少し我慢するだけだから、耐えられるわ！」
彼女の善良で寛大な様子に、佐藤梅子はすぐに心を痛めた。
彼女をしっかりと抱きしめ、愛しい我が子と何度も呼んだ後、怒りの声で叱責した。「佐藤玲奈、なんてあなたはそんなに自己中なの！優子はやっと適合する人が見つかって、治る希望が見えたのに。お姉ちゃんなのに、躊躇うなんて、あなたは人間なの？」
佐藤父はさらに直接命令した。「私は彼女の保護者だ。彼女に代わってどんな決断もする権利がある！手術同意書は私がサインする！」
前世と寸分違わない道徳的な脅迫の言葉を聞いて、佐藤玲奈は自分が本当に転生したのだと確信した！
佐藤父がペンを取ってサインしようとした瞬間、彼女は突然手を伸ばし、彼の手首をつかんだ。
「私はもう成人です。誰も私の代わりに決断する権利はありません！」
彼女は目の前の実の両親を冷たく見つめ、転生後の最初の言葉を一言一言吐き出した。
前世では、佐藤優子が急性腎不全と診断され、佐藤家の実の娘ではないことが判明した後、佐藤家はすぐに孤児院にいた彼女を見つけ出し、引き取った。
最初、彼女は夢にまで見た家族を手に入れたと思っていた。まさか佐藤家が十数年の共同生活の中で、血のつながりのない娘である佐藤優子を実の子のように見なし、実の娘である彼女を佐藤優子の腎臓提供者としてしか見ていないとは思いもしなかった。
彼女の腎臓が佐藤優子に適合すると判明すると、彼らは彼女に精神的な圧力をかけ始め、佐藤優子に腎臓を提供させようとした。
佐藤優子が少しでも具合が悪くなると、すぐに彼女に輸血させた。彼女が少しでも躊躇を見せるたび、たとえそれが体調不良のためであっても、佐藤優子は彼女たちが血のつながりがないから助けたくないのだと暗示し、彼女を利己的で悪意のある人間に仕立て上げた。
今のように、彼女が佐藤父を止めると、佐藤優子はすぐに胸に手を当て、大きなショックを受けたふりをした。
「お姉ちゃん、私のどこが足りないの？どうしてそんなに私を憎んで、死んでほしいと思うの？私があなたからお父さんとお母さんを奪ったことを恨んでるの？でも私も故意じゃなかったわ。自分がお父さんとお母さんの娘じゃないなんて知らなかったの。自分が実の子じゃないって知った時、誰よりも苦しかったわ。去ろうとも思ったけど、お父さんとお母さんが留まるように言ったの。もしあなたが不快なら、私が出て行くわ。お願い、お父さんを傷つけないで」
傷つける？
ほら見て、彼女はただ佐藤父の手を握っただけなのに、彼女はその行為を「傷つける」と曲解している。
佐藤父の暗い表情を見れば、明らかに彼女の言葉を信じている。
「佐藤玲奈、いったい何がしたいんだ？」佐藤父は怒って机を叩いた。「まさか、本当に優子が死ぬのを黙って見ているつもりか？！」
佐藤梅子は怒って立ち上がり、手を上げて彼女の頬を打とうとした。「こんな意地悪な娘を産んでしまうなんて。あの時、おまえを孤児院に放っておいて、引き取らなければよかった！」
彼女の平手打ちが佐藤玲奈の顔に落ちようとした瞬間、佐藤優子の目には得意げな光が走った。
佐藤玲奈が佐藤家の実の娘だったとしても、彼女の前では犬同然だ。
佐藤家のお嬢様は自分だけで、佐藤玲奈が自分と争うなど決して許さない！
しかし、佐藤梅子の手は宙で、白い小さな手に捕まえられた。
佐藤玲奈は漆黒の瞳で佐藤梅子と視線を合わせ、温度のない眼差しで見つめ返し、佐藤梅子は心が震えた。
この娘はどうしたんだ、急に別人のように変わってしまった。
「あ、あなた、離しなさい。本当に反抗するつもり？手を上げるなんて！」佐藤梅子は怒って叱りつけた。
佐藤父は怒り心頭で、「もう十分だろう！いったい何がしたいんだ？！」
「私が佐藤優子に腎臓を提供しないのが、意地悪だというんですか？」佐藤玲奈は無表情に彼らを見た。「それなら、一日も私を育てず、わずかな血のつながりだけで私を縛ろうとするあなたたちは、何と呼べばいいでしょう？」
佐藤父は言葉に詰まり、さらに怒った。「私たちはお前の親だ。親にそんな口のきき方をするのか？お前のしつけはどうなった？全部犬の腹の中にでも入ったのか？」
「母親はいても父親らしい父親はいない。私のしつけがどれほどのものか期待できますか？」佐藤玲奈は冷笑し、佐藤梅子を振り払い、佐藤優子をじっと見つめた。「私の腎臓がなければあなたは死ぬ、そうですね？」
佐藤優子は彼女の視線に怯え、一歩後ずさった。「そ、そうよ、だからお姉ちゃん、お願い……」
「なら死ねばいい！」佐藤玲奈は一言一句、彼女の言葉を遮った。
佐藤優子の瞳孔が縮んだ。この女、どうしたんだ？どうして急にこんなに強気に？
前世では、彼女は道徳的に縛られ、お姉ちゃんとして佐藤優子のために犠牲になるべきだと信じ、そうでなければ佐藤家の娘として相応しくないと思い込まされていた。
彼女は両親の承認を切望し、彼らが佐藤優子を愛するように自分も愛してくれることを望んでいたので、どんなに無理な要求でも歯を食いしばって受け入れていた。
しかし、それは自分を絶望に追い込むだけだった。
今世は……
佐藤玲奈は冷たく残忍な笑みを浮かべた。「佐藤優子、私たちの借りは、一つ一つゆっくりと清算してあげるわ！」
今は、もっと重要なことをやらなければならない！
