第12章

"堀田社長、調査結果が出ました"

木村直人はオフィスのドアを開け、急ぎ足で堀田知也の方へ向かった。

堀田知也は顔を上げ、眉を吊り上げながら冷たい目で木村直人を見た。

木村直人は息を整え、額に浮かんだ冷や汗を拭いながら静かに言った。「堀田社長、あの翡翠のペンダントは確かに古墳から盗掘されたものです」

堀田知也はその言葉を聞き、漆黒の瞳に一瞬異様な色が走った。

「どういうことだ?」堀田知也は冷たく尋ねた。

木村直人は手元の書類フォルダから一枚の新聞を取り出し、堀田知也の前に置いた。

「二年前、平安時代の古墳が盗掘され、同時に衝撃的な殺人事件も起きたんです」

堀田知也は無表情で聞き...

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