第125章

一時間前、堀田知也はオフィスで木村直人が持ってきた小説を眺めていた。これらのタイトルを見て、堀田知也は改めて、本当に信頼できる助手に変えるべきなのかと考えていた。

そのとき、携帯電話が鳴った。

「知也、忙しい?おばあちゃんの薬が切れたから、病院で取ってきてくれない?」電話の向こうから、堀田おばあちゃんの声が聞こえた。

「わかった」堀田知也は電話を切ると、木村直人を呼んだ。

「ちょっと出かけてくる。誰か来たら時間の予約を取っておいてくれ」

「はい」

木村直人は頷いて返事をしたが、その後、机の上に半分読まれた小説に目をやり、思わず口元が引きつった。

社長、本当に読んだのか?

書店...

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