第129章

一晩考えた末、佐藤玲奈は翌日、山田おじいさんを空港まで見送ることに決めた。

結局のところ山田おじいさんは年上だし、自分のような若輩者が年長者に対してあんなに長く意地を張るのは、あまりにも不適切だった。それに山田おじいさんも、わざと自分のことを詮索したわけではないだろう。

「山田おじいさん」

山田おじいさんは目を瞬かせ、自分の目を疑うかのようだった。佐藤玲奈が時間を割いて見送りに来てくれるとは思っていなかったようだ。

一方の佐藤玲奈は堂々と山田おじいさんの前に立ち、厳選した贈り物の箱を差し出した。

「山田おじいさん、濃いお茶がお好みではなく、淡いものがお好きだとお聞きしました。これは...

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