第130章

佐藤玲奈は退屈そうに椅子に座り、スマホをいじっていた。テーブルの上には店主が運んできた湯気の立つフルーツティーが置かれていた。

突然、個室から口論の声が聞こえてきた。佐藤玲奈は眉をひそめながらしばらく耳を傾けたが、言い争いの内容は聞き取れなかった。ただ、あの耳障りな甲高い声にどこか聞き覚えがあった。

そのとき、骨董品店の店主が慌てた様子で駆け寄ってきた。

「佐藤さん、堀田おばあさんの方で何か問題が起きているようです。すぐに見に行ってください」

佐藤玲奈は勢いよく立ち上がり、店主を追い抜いて個室へと足早に向かった。

この部屋には様々な精巧で奇抜なデザインの陶磁器が並べられていた。多く...

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