第132章

「天川おじいさん、では玉器を二つ選ばせていただきます」

「ああ、いいとも」

結局、佐藤玲奈は天川おじいさんの熱意に負け、一つの玉観音のペンダントと一体の玉麒麟を選んだ。

「玲奈ちゃん、君の目利きは本当に素晴らしいね。ますます孫の嫁にほしくなってきたよ」天川おじいさんは佐藤玲奈が選んだものを見ながら、目を細めて笑った。

「ごほん、ごほん。私もここにいるのよ!この老いぼれ、私の孫を奪おうなんて考えてるの?この収蔵室の宝物を全部叩き壊してやろうか?」堀田おばあちゃんは冷たく言い放った。

自分の宝物が壊されるという話を聞いた途端、天川おじいさんは腰が引けた。

「佐藤さん、冗談だよ。まだ若...

ログインして続きを読む