第147章

保生柏は、通常、高山の頂にある寺院の近くにしか生育しない。

かつて伝説があり、この種の柏の木を祀ったり、参拝したりすると、子を授かることができるという。堀田おばあちゃんが手にしているこの数珠は、まさに保生柏を削って作られた珠で作られたものだった。

「玲奈、この数珠を売ってくれたお坊さんが言うには、長く身につけていれば子宝に恵まれるって本当かしら?」

佐藤玲奈は微笑みながら、指を動かして返した。

「もちろん大丈夫ですよ。おばあちゃん、この数珠を誰かにプレゼントするつもりですか?」

佐藤玲奈は、堀田おばあちゃんがこのような意味を持つ数珠を誰に贈るのか、とても気になっていた。

しかし彼...

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