第17章

モテ期?

佐藤玲奈は堀田知也を信じられないという顔で見つめた。初めて会った時から欲望を断ち切ったような様子のこの男が、モテ期なんて気にするのだろうか?

「まあ、いいんじゃない」佐藤玲奈は確信を持てないまま答えた。

実際、モテ期の古玉と言えば、もっと適したものが別にあった。

そう考えながら、佐藤玲奈の視線は月のような形をした古玉に落ちた。

ちょうどそのとき、堀田知也もその古玉を手に取り、佐藤玲奈に渡しながら言った。「これをあげる」

「え?受け取れません、こんな貴重なものを!」佐藤玲奈は一瞬驚き、何度も断った。

「おばあちゃんがお前にあげろって」

この数日の付き合いで、堀田知也は...

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