第174章

薄暗い部屋は、何とも言えない不思議な香りが漂っていた。

佐藤大樹は昨夜の酒席のことを思い出すと、少し頭が痛くなった。酒に強いわけではないが、一杯で倒れるほど弱くもないはずなのに、昨夜はたった一杯で意識を失ってしまったのはなぜだろう?

いくら酒に弱いとしても、昨夜の出来事を全く覚えていないというのはおかしい。それに、体にも特に変わった様子はない。

ただ一つを除いて……

ベッドで裸になっている女性のことを思い出し、佐藤大樹は顔を引き締めてベッドの方を振り向いた。

ちょうどその時、女性が小さく唸り声を上げ、潤んだ美しい瞳をゆっくりと開いた。

正直に言えば、ベッドの女性はかなり美しかった...

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