第178章

「はっくしょん!」

白崎雪乃が突然くしゃみをし、鼻をこすりながら顔を上げると、ぼんやりとした表情で佐藤玲奈を見つめた。

佐藤玲奈は顔を上げて白崎雪乃をちらりと見て、尋ねた。

「風邪?」

「まさか!私、牛みたいに健康だよ!」白崎雪乃は即座に答えた。

「……」

「あはははは、何言ってるんだろ私!」白崎雪乃は少し気まずそうに空笑いをした。両手で頬を支えながら、まばたきをして言った。

「ねえ玲奈、これって昔私が口説いた男子が私のこと考えてるってことじゃない?」

「知るわけないでしょ」佐藤玲奈は呆れたように目を回した。

白崎雪乃は微笑んだが、その口元の笑みには苦さが混じっていた。

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