第183章

「雪乃、会わないの?」

その日、佐藤大樹に会った後、夜になって佐藤玲奈は白崎雪乃に電話をかけた。

「うん」

白崎雪乃は少し黙った後、淡々と口を開いた。

「彼、今私のことを好きになったって、あなたに言ったの?」

「そう言ってたわ」

白崎雪乃は黙り込んだ。

「雪乃、勘違いしちゃダメよ!」佐藤玲奈は諭すように言った。

「男なんて、簡単に手に入れたものは大切にしないわ。それに彼と八代雪はまだ艶めかしい関係が続いてるし、彼が一日でもその関係をきっぱり断ち切らないなら、あなたも一日たりとも相手にしちゃダメ!」

「うん」白崎雪乃はまた素直に返事をした。

「……」

「雪乃、もしかして、...

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