第187章

「この料理の数々、私のためなの?」白崎雪乃は目を輝かせ、にこにこと笑いながら言った。

「そうよ」佐藤玲奈は微笑んで、そして何気なく尋ねた。

「そういえば、昨日お兄さんと……」

佐藤玲奈は言葉を最後まで言わなかったが、白崎雪乃はすでに理解していた。

「昨日は仕事帰りに夜食を食べに行ったら、偶然彼に会ったの」

白崎雪乃は少し間を置いて、その晩に起きたことをすべて佐藤玲奈に話した。

佐藤玲奈は佐藤大樹が白崎雪乃に「友達になれないか」と尋ねたと聞いて、驚きで目を丸くした。

お兄さん、何をしているの?

どうしてこんなことを雪乃に言うの?

もしかして……

「雪乃、ひょっとしてお兄さん...

ログインして続きを読む