第199章

「おばあちゃん、これは八代家の宴会ですか?」堀田知也は招待状を受け取り、そこに書かれた名前を見て、わずかに眉をひそめた。

「そうよ」堀田おばあちゃんは顔を上げて堀田知也を一瞥すると、言った。

「この八代家は周防家と同じく、医薬研究で身を起こした家よ。規模は周防家ほど大きくないけれど、それでもかなりのものだわ。昔ね、お前の祖父が生きていた頃は、八代家の当主とも多少の付き合いがあったのよ。こんなに長い間会っていなかったのに、八代家が宴会を開くというのに、こんな婆のことまで思い出してくれるとはね」

堀田知也はおばあちゃんの口から出た「婆」という言葉に、わずかに眉をひそめて言った。

「おばあ...

ログインして続きを読む