第343章

古川綾音は古川梨斗の声を聞き、びくっと体を震わせた。

「お父さん、無理だってわかってるくせに……」

「無理でもやってみるんだ!」

古川梨斗は重苦しい声で綾音の言葉を遮った。

「現在、古川家の多くのプロジェクトが頓挫している。お前だって、古川家がビジネスの世界から消え去るのを見たくはないだろう」

「でも、お父さん……」

古川綾音は悲痛な声で訴えかけた。

「うちがこんな風になったのは、そもそも手を出してはいけない相手に手を出したからじゃない。それなのに、またあの人に関われって言うの? 佐藤家がどうなったか、忘れちゃったの?」

古川梨斗は一瞬沈黙し、冷ややかな声で告げた。

「古川...

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