第351章

「綾音、今となっては古川家を救えるのはあなただけなの」

古川の母は古川綾音を見つめ、慈愛に満ちた声で言った。

「あなたが佐藤玲奈を説得して、堀田知也に許しを請うてもらえれば、古川家はまだ助かるわ」

「綾音、あなたも古川家の一員でしょう。もう一度だけ、家のために力を貸してちょうだい」

古川綾音は信じられないといった様子で母を見つめ返した。自分たちが犯した過ちなのに、なぜまた私を盾にするのか。

あの時、彼女はすでに堀田知也を諦め、ただ自分のささやかなキャリアを築いていこうと決心していたのだ。

しかし、古川梨斗の一言によって再び希望の火が燃え上がり、父の荒唐無稽な計画に同意してしまった...

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