第353章

佐藤玲奈は最近、腹立たしさと苛立ちを募らせていた。

特に堀田知也の顔など、今は絶対に見たくなかった。知也は八代倫也の友人であり、彼が妻帯者でありながら不倫をし、霧雨縁をずっと騙し続けていたことを知っていたにもかかわらず、一切口を閉ざしていたからだ。事ここに至ってすべてが明るみに出た今、玲奈の怒りの矛先は完全に知也へと向いていた。いわゆる八つ当たりである。

そう、正真正銘の八つ当たりだ!

どうせ同じ穴の狢。友達同士、ろくでもない本性は同じに決まっている!

知也を避けるため、玲奈は堀田の祖母の世話を口実に、本邸へと移り住んだ。知也が追いかけてこないよう、祖母にまで頼み込み、当分の間は自分...

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