第363章

グラスを傾けていた堀田知也の手がわずかに止まる。

「都心に新しいマンションが一部屋ある。あそこに住まわせればいい」

淡々とした声だった。

結城達真は虚を突かれたような顔をした。

「彼女を一人で住まわせる気か?」

「ああ。大学を卒業するまで面倒を見ると、彼女の母親と約束したからな。これで俺も当時の約束を果たしたことになる。あいつももう大人だ、自立を学ぶべきだろう」

「だが、年頃の女の子を一人で外に住まわせるなんて、よく平気でいられるな」

結城達真は眉をひそめ、心配そうに尋ねる。

堀田知也は冷ややかな視線を結城達真に向けた。

「なら、お前のところに住まわせるか?」

「それは…...

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