第367章

「お祖母さん、ちょっと様子を見てきますね」

佐藤玲奈は堀田のお祖母さんの手の甲を軽く叩いてなだめると、足音を忍ばせて病室へと足を踏み入れた。

病室内では、霧雨縁が仰向けのまま真っ白な天井を見つめており、誰かが入ってきたことに全く気づいていないようだった。

光を失い、暗く濁った霧雨縁の瞳に気づき、佐藤玲奈はふいに胸を締め付けられた。

「縁ちゃん」

佐藤玲奈はベッドの傍らに腰を下ろし、そっと呼びかけた。

霧雨縁の瞳が微かに揺れる。やがて彼女はゆっくりと首を巡らせて佐藤玲奈を見つめ、土気色の顔に力ない笑みを浮かべた。

「玲奈、来てくれたのね」

「ええ」

佐藤玲奈は愛おしむように手...

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