第369章

本来なら翌日に出発する予定だったが、その夜の度を越した激しさゆえに、予定は一日延期されることになった。

駅に着くと、待合室ではすでに高橋が長いこと待ちわびていた。

「高橋のお爺様、申し訳ありません。遅れてしまって」

小走りで駆け寄ってきた佐藤玲奈の頬はほんのりと赤く染まり、わずかに息を弾ませていた。

「気にするな、わしも今来たところじゃ」

高橋は微笑みながら、ふと玲奈の首元に視線を落とした。その白く華奢なうなじには、まるで所有権を主張するかのように、血のにじむような歯型が堂々と残されていた。

『やれやれ、今の若者はずいぶんと情熱的じゃな!』

高橋はさりげなく視線を外し、玲奈と共...

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