第391章

小野寺綾乃は堀田グループへの入社試験に見事合格したというのに、少しも喜べずにいた。

結城達真の家へ帰ってみると、室内は真っ暗で、彼が帰宅した気配はなかった。

綾乃は一瞬立ち尽くした後、壁のスイッチを手探りで見つけ、パチッと音を立てて押し込んだ。

途端に、眩しい光が部屋の隅々にまで降り注ぐ。

家具の配置は何も変わっていないのに、なぜだか心の中をすきま風が吹き抜けていくような、ひどい虚燥感に襲われた。

ゆっくりとキッチンへ足を踏み入れると、コンロもテーブルも塵一つなく磨き上げられており、蛍光灯に照らされた大理石の調理台が、どこか寒々しい光を反射していた。

こんなはずじゃない!

昨夜...

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