第397章

二人の視線が空中で交錯した。

福田の唇が微かに動き、何かを言いかけたようだったが、その場にいるある人物を気にしてか声に出すことはなかった。

佐藤玲奈は鋭い眼差しで福田の微かに動く唇をじっと見つめ、無言のまま読唇術でその言葉を読み取ろうとした。

突然、敵意と値踏みするような視線がこちらに向けられ、心の底からゾッとさせるような声が耳に響いた。

「お前が佐藤玲奈か」

佐藤玲奈が振り返ると、陰鬱な光を宿した堀田聖の瞳と真正面からぶつかった。

佐藤玲奈が唇の端を吊り上げ、言葉を返そうとした瞬間、目の前を背の高いシルエットが遮った。そして、大きくて温かく、安心感を与える手のひらが、彼女の冷え...

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