第403章

小野寺綾乃は逃げるように病院を飛び出した。エントランスの前に立ち、行き交う車をぼんやりと見つめながら、ふと途方もない迷いに襲われる。

幼い頃から育ってきたはずのこの街が、今はひどく見知らぬ場所に思えた。

Z市に戻ってきてからというもの、周囲の人間が潮を引くように自分から遠ざかっていくのを、小野寺綾乃は肌で感じていた。

堀田知也からの冷遇だけではない。かつて親しく言葉を交わしていた友人たちでさえ、知也の態度の変化を察知するや否や、一斉に彼女との距離を置き始めたのだ。

連中が自分に擦り寄ってきていたのは、ひとえに堀田知也の強大なバックボーン目当てだったことくらい、小野寺綾乃にも分かってい...

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