第412章

別荘の入り口に立ち、堀田知也は見上げるような空に懸かる太陽を眩しそうに見つめた。耳の奥には、女の泣き叫ぶ声と男の怒号がまとわりついて離れない。

(ふん、これが彼の言う『家族』というやつか)

堀田知也は静かに目を閉じ、深く息を吸い込んだ。そして大股で歩き出し、別荘から響く喧騒をすべて背後へと置き去りにした。

     *

病室のベッドで、佐藤玲奈は深い昏睡からふと目を覚ました。

わずかに目を細め、室内の光に慣れるのを待ってから、彼女は視線を巡らせて周囲の様子を窺った。

(ここは……)

真っ白な天井、無地で緑色のカーテン、そして鼻をつく消毒液の匂い。

(もしかして、病院?)

自...

ログインして続きを読む