第421章

翌朝。佐藤玲奈が目を覚ますと、堀田知也の姿はもうなかった。隣の寝床はひやりと冷えきっていて、まるで昨夜は帰ってきていないかのようだ。――出ていってから、ずいぶん時間が経っている。

玲奈はゆっくり起き上がり、無機質に服を着て、顔を洗い、朝食を口に運んだ。

出勤の支度を整え、家を出ようとした、そのとき。

けたたましい着信音が、リビングの静けさを真っ二つに裂いた。

「もしもし」

玲奈が落ち着いたまま電話に出る。

『玲奈、絶対落ち込まないで! あんなの、メディアが勝手に書いてるだけだよ。たぶん角度のせい、絶対そう!』

受話口の向こうから、白崎雪乃の焦った声が飛んできた。

「……?」

...

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