第425章

薄暗いマンションの一室で、小野寺綾乃はスマホに表示された一枚の写真を睨みつけた。銀の歯をぎり、と噛みしめ、下唇に整った歯形が一列、くっきりと刻まれる。

その写真は、大学の同級生がネットから拾って送ってきたものだ。もっとも、ネット上に残っていた他の写真は、トレンドから落ちたと同時にすべて削除されている。

小野寺綾乃には分かっていた。堀田知也が動いたのだ。あの男の性格で、自分が世間の茶飲み話のネタになるなど、絶対に許すはずがない。

『綾乃、将来は堀田知也と結婚するって言ってたじゃん? じゃあネットのこの女は何? ニュースだと、知也の昔の忘れられない高嶺の花だって』

同級生たちは、綾乃と堀...

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