第428章

佐藤玲奈が車を出してから、そう時間は経っていなかった。堀田知也からの着信が入る。

「今夜、一緒に帰って、ばあさんと飯を食う」

冷えた声が、電波越しにゆっくりと耳へ落ちてくる。

「うん」

もともと玲奈も堀田おばあちゃんの様子を見に行くつもりだった。だから素直に頷いた。

ただ、知也が迎えに来るという提案は断った。今日は一人で運転して行きたかった。

そのことを知った堀田知也は、胸の奥に小さな不快を残しながらも、佐藤玲奈には強く出られない。

仕事を終えた玲奈は、そのまま堀田家の実家へ車を走らせた。

玄関をくぐり、足早に廊下を進む。座敷へ入った瞬間、玲奈の足がぴたりと止まった。

ソフ...

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