第429章

佐藤玲奈は、何が何だかよくわからないまま、それでも胸の奥がじんと温かくなった。

「うん、わかった」

「わかってりゃいい。じゃ、休めよ。何かあったら電話してこい」

そう言うと、佐藤大樹はそのまま通話を切った。

玲奈は、画面が暗くなったスマホをぼんやり見つめる。さっきまで霞がかっていた頭の中が、すうっと冴えていくのがわかった。

白崎雪乃の言い方を思い出し、玲奈は――たぶんまた、ネットで何かのゴシップでも見たのだろう、と察する。

そう思ってニュースのトップを開くと、案の定だった。昨夜、高橋亜里沙がロールスロイスに乗り込む瞬間が撮られている。そこに記事の憶測混じりの文言が重なり、コメント...

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