第435章

「堀田社長、昨日小野寺さんのご自宅へ伺ったんですが、彼女が……」

木村直人は堀田知也の後ろを追ってオフィスへ入ると、言い淀むような顔をした。

堀田知也は振り返って木村を一瞥し、眉をひそめる。

「小野寺さんには会えていません。中に入れてもらえなくて。ただ、声を聞く限り大事ではなさそうでした。たぶん体調が悪いだけかと」

「体調不良なら休暇申請しろ」堀田知也は鼻で笑った。

勝手に無断欠勤して、周りに迷惑をかけろなんて教えた覚えはない。

「……はい」木村は眉間にしわを寄せたまま、小さくうなずく。

本当は、もうひとつ引っかかることがあった。

小野寺綾乃の様子が、どこかおかしい。声だけで...

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