第444章

「玲奈、これ結構味が染みてるぞ。食べてみろ」

「知也、あなたは大病のあとなんだから、お粥で十分よ」

福田さんは食卓の脇に立ち、にこやかに給仕に料理を運ばせながら、胸の内でそっと毒づいた。おばあさま、本当に露骨なえこひいきですね――。

佐藤玲奈は堀田おばあちゃんの話を聞きつつ、静かに箸を進めていた。けれど、向かいから突き刺さるような熱い視線だけは、どうしたって無視できない。

「玲奈、安心しなさい。堀田家の孫嫁はあなただけ。あなただけなの。誰にも譲らないわ!」

不意に飛び出した言葉に、佐藤玲奈は小さく息をのんだ。

さっきから上の空で、話をきちんと追えていなかった。だからこそ、この唐突...

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