第447章

堀田グループのプロジェクトオフィス。小野寺綾乃は自席で作業しているはずなのに、どうにも集中できずにいた。

虚ろな目でモニターの表計算を追いながら、ふとした拍子に期待するような視線を出入口へ投げる。

――堀田聖の声が、耳の奥にべっとり貼りついて離れない。

「堀田知也と佐藤玲奈を離婚させられたら、これからはベッドの上で少しは優しくしてやるよ」

囁きは甘いのに、内容は毒だった。

毎晩のように、自分の身体に刻まれていく痕跡。思い出すだけで胃がひっくり返りそうになる。吐き気がこみ上げる。

許せない。堀田聖が憎い。遠坂紫も憎い。

あの二人がいなければ、どうして自分がこんな目に遭う? どうし...

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