第449章

結局、佐藤玲奈は堀田知也にメッセージを送らなかった。

小野寺綾乃の件も、堀田知也が戻ってから話せばいい。

玲奈はベッドに横たわり、スマホの連絡先に並ぶ名前をぼんやり眺めているうちに、そのままうとうと眠りに落ちた。

けれど眠りは浅い。夢はちぐはぐで、前世のあれこれが映ったかと思えば、今世で堀田知也と婚前契約にサインした場面に切り替わる。最後には、堀田知也と高橋亜里沙が並ぶ光景でぴたりと止まった。――妙に、似合っている。

佐藤玲奈ははっと目を開いた。窓の外はすっかり明るい。枕元のスマホがけたたましく鳴っている。

「……もしもし?」

通話ボタンを押すと、向こうは一拍沈黙し、低い声が落ち...

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