第455章

佐藤玲奈は訳が分からないという顔をした。田中有美が二階へ駆け上がり、ほどなくして駆け下りてくる。両手に抱えていたのは、どこにでもありそうな木箱だった。

「これね、おじいちゃんが海外のオークションで落としたコレクションなんだ。普段はすっごく大事にしてて、誰にも見せてくれないの。でも今日はおじいちゃんがいないから……こっそり持ってきちゃった」

田中有美はそう説明しながら、恐る恐る蓋を開けた。中の品が、ふっと姿を現す。

佐藤玲奈はその一対の石獅子をじっと見つめた。獅子と言うより、凶獣――そう呼んだほうがしっくりくる。ただ獅子に似た形をしているだけだ。

小ぶりなはずなのに、面相があまりにも凄...

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