第456章

「気にするって? 何を?」

佐藤玲奈は青菜を鍋へざばざば放り込みながら、何気なく聞いた。

「えっと……玲奈、入れすぎ! 鍋が青菜で埋まってる!」

霧雨縁は一面の緑を見て、額にありありと黒い筋を浮かべる。

佐藤玲奈はきょとんとし、自分の所業を見てから、気まずそうに笑った。

「こほん……ごめん。また持ってこよう」

「はぁ」霧雨縁は小さく息をつき、話を戻す。「倫也さんの元奥さん、亡くなってまだ日が浅いの。今のタイミングで結婚を公にしたら、倫也さんも……私も、いろいろ言われる」

「そうなんだ」佐藤玲奈は野菜をすくって口に運び、もぐもぐ噛む。おいしいのか、目を細めた。

「でも、いま妊娠...

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