第458章

堀田知也が目を開けると、視界の端を白い影がすっと横切った。反射的に手を伸ばし、相手の手首を掴む。

佐藤玲奈は足を止め、淡々と言った。

「二日酔いに効くから」

言い終えるなり、その手を振りほどいて立ち去ろうとする。だが手首にぐいっと引かれ、重心が崩れた。

「堀田知也っ……!」

気づけば、彼の腕の中に倒れ込んでいた。玲奈は間近の顔を睨みつける。

堀田知也は怒る女を見下ろしながら、昨夜――自分の下で熱を帯びた彼女の表情を思い出す。喉仏が小さく上下し、目元にかすかな笑みが浮かんだ。

「食べさせろ」

「は?」玲奈は呆れたように睨み、「私、仕事なんだけど」

「頭が割れそうだ。具合悪い旦...

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